核兵器と抑止論

奥山さんのゼミで自分の発表用のレジュメに、議論の結果をまとめて加筆修正したものを、下記に記載します。
今回のゼミの議論は、アメリカの核戦略のアドバイザーをしていたコリン・グレイに師事した奥山さんだけに、過激な話が満載でした。アメリカの核戦略がこういうものだということを理解しておくと、国際政治の最新状況も理解しやすいのではないでしょうか。


核戦略における前提
核戦略はエア・パワーを基礎にしている】
大陸間弾道ミサイル=核ミサイル
爆撃機 ※ステルス機も含む。
3潜水艦発射弾道ミサイル搭載の原子力潜水艦
上記3つの核攻撃のうち抑止力として強力な1と2はエア・パワーである。
※エア・パワーは空軍力と理解してもらえればだいたいOKです。


核戦略は意志の競争】
破滅の危険をどこまであえて冒すかについての意志の競争となる。現状維持を図る側が現状変更を企てる側に対して行なった核威嚇は、危機を有利に収束させる公算が大きいことになる。
これは心理戦であるために、科学的に結論が出せない。まさしく、コリングレイの指摘するように、戦略研究の対象は「テクノロジー」(科学)ではなく「アート」(業)であり、それを認めることで、初めて有効な議論ができるだろう。


バーナード=ブロディ(エール大学教授:元国防総省核戦略担当官)
「今までの我々の軍事機構の主要な目的fは、戦争に勝つことであった。今後の主要な目的は、戦争を避けることでなくてはならない。それ以外に有用な目的はほとんどない。」


●【冷戦時代の核抑止論の四大学派】
1【完全拒否派】
核抑止を信じておらず、これによって安全保障が達成できると考えるのは愚の骨頂と考える立場。
平和運動家の中心的な考え。NPT体制はこの学派。日本はほとんどがこの学派。柄谷行人氏もこの学派だ。


2【大規模破壊派】 countervailing
原則的に核による威嚇を否認する議論。抑止が効くのは相手(とその同盟国)を完全に破壊できるだけの能力を持った時だけに限るという立場。「敵がそれを使うことを抑止する以外に全く役に立たない」通常戦力で対抗するほかない。
※「冷戦時代の主要国のリーダーたちや、専門家たちで支持するものがけっこう多かった。

3【「最小抑止」論】 minimum defense
一方で相互確証破壊状況は一応是認しつつも、拡大抑止は実質的にこれを廃棄するよう主張する「最小抑止」論。 
核兵器の存在する世界では、最強国家の半分以下の経済力の国家でも、必要最低限の少ない数の核弾頭(最低10発ほど)だけで大国の地位を保持することができる。
※冷戦時代にはアメリカ国民に一番受け入れられていた議論。

4【「核戦争遂行」論】war fighting
戦略防衛推進論である。抑止論をあまり信じておらず、とにかくどのレベルでも核戦争に勝てるだけの準備はしておかなきゃいけない、という立場。最悪のシナリオでも勝てるようにするために、先制攻撃力などの構築を積極的に進めることを提案。
相互確証破壊状況を脱却し、核戦争遂行・勝利能力の達成もしくは防御体型中心の戦力態勢への転換を提唱する。少なくとも威嚇を行う側は存亡の境界に立たずにすむ状況があり得る。核優位の確立を通して核戦争を限定し、これに勝利する態勢を整えた側が危機において核威嚇に訴えた場合、状況によっては威嚇を実行に移す方が政治的な譲歩を重ねる損失が少ないと想定されるため、その威嚇には高い信憑性が付与される。
実際に、キューバ危機、ベルリン危機の双方が米国に有利な形で決着した。しかし、核戦争が起これば米国に数百万単位の犠牲者が出ることが予想されていた。

※実際に具体的な段階まで落とし込んでいるのは核戦争遂行論だけ。
冷戦中に大規模な戦争が起こらなかったのはアメリカが具体論まで落とし込んでいたからだという説もある。
これはターゲティングの理論が胆になる。
コリングレイの実務の話。衛星写真で撮影されたロシアの地図を広げ「ここに落としたら3000万人か4000万人死にますね。」と会話していたという。


●戦略的安定を支える状況
冷戦期の米ソの対外行動様式が戦略的安定を作った。
【「敵対の手段」と「統制の対象」の二重の性質】
「敵対の手段」としての核兵器の重視を与件としつつ、その「統制の対象」としての性質にも配慮した核兵器の諸基準を発達させる二重の性質がある。


【1960年代の中葉以降、冷戦の「制度化」が進んだ】
相互関係を律する「行動準則」の発達等(直接的な武力衝突の回避、事実上の「勢力範囲」の尊重、指導者の正統性承認、偵察衛星の許容、核兵器と通常兵器との峻別した上で、核兵器はできるかぎりこれを避けるべきであるという共通理解が進んだ。


【国際体系の構造】
軍事力の非対称性がある場合にとくに強い抑止力になる。 米ソ双方にとって脅威の所在や程度が明確、それへの対応もそれぞれの内部勢力が中心であったため、誤算による戦争生起の余地が小さかった。ただし一度キューバ危機があった。


イデオロギーの穏健化】
核兵器の重視が、ナショナリズムの対立が相対的に緩和された。
ナショナリズムは対外強硬論の呼び水になりやすく、それが戦争につながることも再々であった。


【NPT体制】
常識的な議論のため省略



核兵器の有用性とは何?
答え:軍事費削減、戦略的安定、発言力が高まることである。

A【軍事費削減】
核戦力の集積によって、米国に対する侵攻の抑止や侵攻への対処はそれまでよりはるかに容易かつ安価となった。そのため仮に西欧や日本がソ連の軍門に下り、旧世界の主要国が連合して米国に立ち向かってきたとしても、米国を正面から攻撃することはもちろん、海上封鎖によって米国を屈服させることも困難になったのである。
※しかし、本当に核武装が安価なのかは戦略研究者の間でも議論されている。例えば今回のゼミでは下記の議論がなされた。
核兵器のコストは10年間で50億ドルから300億ドルだと言われる。恐怖を無くすためには安上がりではないか。
しかし、NPT体制を前提にすれば核武装は高い。



B【戦略的安定】
米ソが、相互確証破壊状況(Mutual Assured Destruction: MAD)を積極的に受容し、その定着に努力することが戦略的な安定を増進する道程である。
問題点としては、核拡散の進行によって阻害されること。


1【危機における安定】
米ソ間の関係が極度に緊張した際にも、他方の領土や戦略戦力に対する先制攻撃の誘因が極限された状態。両国間の基本抑止。
危機における言動の慎重さ(ベルリン封鎖朝鮮戦争スエズ危機、キューバ危機)。


2【軍備競争に係わる安定】
(ある程度以上の長期間にわたって)戦略戦力の量的拡大および質的向上への誘因が抑制された状態。


3★【抑止に係わる安定】
戦略戦争に発展しかねないような冒険的、侵略的な行動の誘因が制御された状態。

【★3−1 懲罰的抑止】
報復による壊滅的な打撃の可能性を想起させることを通じて、自らまたは自らの同盟国に対する攻撃を思い止まらせる。

【★3−2 拒否的抑止」】
自国の防御能力を高め、相手の攻撃の有効性を減じること(拒否能力)によって相手の行動を思いとどまらせる。
※テロに対して戦えるのは実は拒否的抑止しかない。これは通常戦略による抑止と協力する必要がある。



C【プレステージ:発言力が高まる】コリン・グレイ提唱
核兵器は大国になるためのステップ。
大国に意義があるのではなくて、発展途上の国が大国になるために意義がある。




●国ごとで違う核戦略文化
旧ソ連マルクス・レーニン主義に基づき、核戦争では社会主義が勝利し、資本主義国は滅びる。(フルシチョフの登場で論争)

・ロシア:RMAで遅れ、核兵器を重視する戦略。

・中国:「最小限核抑止」戦略。冷戦期にアメリカから核使用の恫喝を受けた教訓をもとに通常兵器開発を無視し、核兵器開発を重視(人民戦争論)。
訒小平毛沢東の理論を発展させ「中国は最小限度の核報復能力を持つべきだ」と提唱した。単に核兵器を持てばいいのではなく、核報復(第二撃)能力を持つことが重要。

・フランス:ドゴール将軍の強力な指導のもと、アメリカによる核の抑止に疑念を抱き独自で核武装
ドゴールは「フランスの安全保障がアメリカの核の傘に依存せずに済む」との信念で、通常兵力削減の代わりにフランス独自の核兵器の開発を推進し、1960年2月にはサハラ砂漠のレガーヌ実験場で原爆実験に成功しアメリカ、ソ連、イギリスに次ぐ核保有国となった。ガロアによる「比例的抑止」理論がベース。

・イギリス:アメリカの核とのリンケージ。イギリスの核戦力は、アメリカとの同盟を補完する戦力と位置づけられている。
イギリスは1950年代から核武装している。自国の核をアメリカの圧倒的な核戦力とリンクさせる方法。

北朝鮮:「最小限核抑止」戦略。アメリカと対等な交渉をするため?
※実際は核を持っていないが、政治的に優位に立つため核を持っていると主張しているのかもしれない。

イスラエル:核保有しているが、持っているか持っていないかを曖昧にさせる戦略

・日本:核政策(非核三原則、核軍縮への取り組む)はあるが、核戦略はない(核抑止は米国に依存)。


※核抑止は西洋文化に限定されいるかもしれないという議論もある
インド、中国は核抑止できるのか。
かつて日本は経済力ではなくて軍事力が先行してしまい、勝目のない戦争に向った。アメリカは日本の抑止に失敗したとも言える。


●【NPTへの批判】
 新規核保有国が「懲罰的抑止」のみを期待し、また核優位を追求しないとすれば、地域紛争の起こる確率がこれによって低下し、国際間の安定をもたらしえる。(バランスオブパワー)NPTは非核国の核武装を禁じると共に核兵器国の核軍縮を義務付けた。 
 NPTは機能していなかった。ブレジンスキーは「米国はNPTを核独占のために利用してきた」バーナード・ブロディは「NPTは国際政治において日本を劣等国においておくためのシステムだ」

※NPT体制はつまるところ、核の同盟=クラブ化だ。


●【バランスオブパワーによる安定】
 保有国同士は限定戦争しかできない。核保有国を増やして、紛争を減らすことはできるかもしれない。
ケネス・ウォルツやブロディやエマニュエル・トッドやジョゼフ・ナイやCFRの多数のメンバーはバランスオブパワーを提唱している。
ケネス・ウォルツ「核兵器は安定性をもたらす」
ブロディ「冷戦期は逆に安定していた」「恐怖の均衡があった」
エマニュエル・トッド「中東が不安定なのはイスラエルだけに核があるからで、東アジアも中国だけでは安定しない。日本も持てばいい。」「核を持てば軍事同盟から解放され、戦争に巻き込まれる恐れはなくなる」

しかし、実際はNPT体制による核のクラブ化により大国だけに保有されている。
※またバランスオブパワーが成立するかも議論が別れるとことろだ。


●【抑止力への批判】
【1】 核攻撃をする「確実性」がない。低レベルの攻撃、たとえば通常兵器による攻撃を抑止する場合、核兵器による脅しは、確からしさを失い、脅しが効かない惧れがある。核第一撃、報復核第二撃構想に基づき核兵器を配備すると、低レベルの攻撃を仕かける誘惑を生み出しかねない。
【2】 安全保障のジレンマを生む危険性。
【3】 相手の合理性を過信することの危険性 
【4】 「抑止への不安」から先制攻撃を生み出す危険性 


●【核が抑止に失敗した歴史】核保有国が非核保有国に侵攻された歴史
ジョゼフ・ナイ「抑止は「能力」だけではなく「確実性」にも関係があるのである。」
実際、第4次中東戦争イスラエル核武装していたにもかかわらず、エジプトに奇襲された。実際には、二度失敗した。 エジプトの指導者アンワル・サダトもシリアの指導者ハフェス・アルアサドも抑止されなかった。
これらの経過は、核不使用規制の威力を証明したように見える。攻撃側は、相手側が核兵器に頼る確率は、皆無でないとしても極めて低いことを、知っていた(能力はあったが「確実性」がなかった)。
セイモア・ハーシュによれば、核兵器を巡るエジプト・シリア軍の反応は以下のようなもの
【1】 エジプト・シリア軍は最初から攻撃目標を限定していた模様。イスラエル軍の抵抗らしい抵抗がない段階で、すでに進撃をやめていた。
【2】 しかしそれは、イスラエルの核攻撃を懸念したからではなく、イスラエル軍そのものの「不敗神話」が抑止力となっている。

また、イギリスもフォークランド戦争の抑止を見事に失敗した。


●【今後の核戦略について】
 米核態勢見直し報告(NPR)では、中露との「戦略的安定性」が大きな柱の一つになっており、米中の対話が想定されている。米露交渉の進展後、米中間の核軍備管理交渉に入ることを念頭に置いていると見られるが、「最小限抑止」戦略を自称している中国側が受け入れるかどうかがカギを握るだろう。

以上、学術書を中心にまとめてみました。



●参考文献
「戦略原論」第10章、第12章 石津他編書
「戦略の形成〈下〉―支配者、国家、戦争」 弟18章 核時代の戦略 コリン・S・グレイ
「勝利は可能だ」コリン・グレイ、キース・ペイン
「冷戦と核兵器」『国際政治』100号(1992年)梅本 哲也



※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※

■今後の日本の核武装について
以下は、ゼミでは議論しませんでしたが、日本の核戦略について、私の意見です。

核武装するためには、まずは通常戦力の強化が必要
確かに、日本が核武装することで、抑止力、発言力を高めることができることは魅力的だ。米国債や米ドルなど利益が見込めない商品を買うよう圧力をかけられるなど、日本がアメリカに対して対等に交渉できない原因は、日本が軍事力をアメリカに依存しているた要員が少なからずあるだろう。
できるものなら核武装はしたいところだ。だが、現実的にはNPT体制からの脱退をする必要があり、もし脱退すれば日米安保は護持できないだろう。そのため、日米安保が解消されたとしても、中国と戦えるだけの通常戦略を持つ必要があるはずだ。


●無駄な戦争を起こすリスクを減らすために、憲法9条は改正しない
しかし、核武装するとしても、憲法9条は改正せず、護持したままでいい。個人的には吉田ドクトリンを継承し、日米同盟と憲法9条を盾に米軍に軍事費とリスクを負担させ続けるのが懸命だと考えている。日本は、日米安保条約を基礎に、EUにおけるスイスのような役割を演じて、当分の間はソフトパワーで国力を維持する。
なぜなら日本に、軍産複合体の利権を発生させず、大きな軍事費も払う必要がないからだ。エアパワーなど持つことになれば、軍事費が莫大になるし、戦争に出兵するリスクがある。


アメリカは冷戦期にロシアという国家を消滅させることまで視野に入れていた。
考えてほしい。米国が東アジアを戦略的に植民地化しようとしたのは、ロシアと中国が海へと出る力(ランドパワー)をシーパワーによって防ぐためだ。冷戦中における米国の戦略はロシアを消滅させることまでをも視野に入れていたのだ。次のコリン・グレイの論文にそう書いてある。アメリカの核アドバイザーをしていた戦略家がそう言っているのだ。


「勝利は可能だ」コリン・グレイより
ソ連の指導者たちはアメリカの限定核オプションを使うという「意志」よりも、アメリカの具体的な「勝利戦略」のほうを恐れるはずだ、ということだ。このような戦略には、ソ連という国家の消滅までも視野に入れたものでなければならない。アメリカはソ連を打ち負かすことを計画しなければならないのだが、それはその後のアメリカの復興を妨げるような、コストのかかるものであってはいけないのだ。ワシントンの戦争の狙いは、最終手段としてソ連の政治システムを破壊することや、その後の世界秩序が西洋の価値観と合うようなものにすることでなければいけない。
 ソ連が最も恐れる脅威は、その政治システムの破壊やその機能に対する重大な損害であろう。したがって、アメリカはソ連のリーダーシップの中枢や、彼らの情報伝達手段、そして国内政治を統治するための手段を破壊できなければならない。モスクワにある大規模な官僚機能に代表される、きわめて中央集権的な政治構造を持つソ連は、そのような攻撃にはかなり弱いはずである。国家の安全保障機関であるKGBが深刻な危機に陥ると、ソ連政府の機能は麻痺するはずだ。もしモスクワの官僚たちを消滅させたり、被害を与えたり、もしくは孤立化させることができれば、ソ連は混乱に陥って崩壊し、ソ連の指導者たちを残すために国内において徹底した予防措置をとることになるはずだ。アメリカが目標選別と兵器購入において賢明な政策をとることができれば、ソ連のリーダーシップの生き残りを防ぐこともできるのだ。」(引用終わり)

米中の間に挟まれた東アジアは、中東の次に、東欧と同程度に危険な地域だ。ロシアは東欧に侵攻した歴史があるが、アメリカは第2次世界大戦以降直接的には今まで東アジアに一度も侵攻はしていない。


アメリカが中国に覇権を奪われつつあるため、日本を中国にぶつけさせること(バック・パッシング理論)を想定しているだろう。
しかし、今後アメリカは本当に中国に覇権を奪われようとしている状況である。冷戦期の旧ソ連以上に中国はアメリカにとって脅威だということを理解してほしい。近いうち、経済的には、アメリカは中国に勝てなくなる。しかし、アメリカは軍事力ならば勝てるのだ。あなたがアメリ国防省ならどうやって中国の戦略を練るのか?コリングレイによれば戦略家は、中国という国家の消滅までも視野に入れたものでなければならない。どうやってアメリカは中国を消滅させようとするだろうか?
陰謀論的に想像すると、アメリカの戦略家はこう考えるのではないか。
※戦略研究は「テクノロジー」ではなくて「アート」に属するので、個人的にこういう心理の読み合いも「アート」の一つとして有効だと思っている。
アメリカが中国を抑止するために、協力してくれる友好国は、韓国、日本、オーストラリア、フィリピン、ベトナムがいる。インドや北朝鮮や台湾もやり方によっては協力してくれるし、中国国内においてもチベット新疆ウイグル自治区や中国国内の上海閥太子党アメリカの協力者だ。
このうち、東アジアで中国に次ぐ一番の大国は日本だ。本当は、中国と日本で戦争を起これば、アメリカの覇権が維持できるが、日米安保憲法9条があり、国際法的に正面からぶつけられない。憲法9条アメリカが押し付けたものだから、変えさせづらくもある。
そこで、石原慎太郎安倍晋三や日本の過激な右翼やリアリストは、核武装改憲を望んでいるため、御用学者やメディアやCIAや親米派の素直な政治家や官僚や、急進反米派の団体を支援して、日本の9条を改憲させるのがいい。9条廃止が成功すれば、中国と日本の間で戦争やらせやすくなるし、日本が武装すれば日米安保で米国が負担している軍事費も削減できるし、軍産複合体も新しい取引先ができて私腹も増やせる。
ただし、核武装は許せない。リアリストのいうパワーバランス理論に従えば、日本に核武装してもらっては戦争を起こさせづらくなるからな。」

だからこそ、無駄な戦争を起こすリスクを少なくさせるために、憲法9条を護持することが重要だ。日本人は無駄なプライドを捨てて実利をとるべきだ。米軍を番犬として使わせ日本を守ってもらおう。


憲法9条を改正しないための5つの前提
ただし、これの前提として下記の5つ認識がある。ここに書いてあることのうちの少なくとも1つ以上が、実現しなくなるのであれば、憲法9条を改正して再軍備するのもありだと思う。今後の国際情勢次第では戦略変更も当然検討していいけばいいし、今からでもあらゆるリスクを想定して十分議論していくことは重要だ。

【1】アメリカが中国を攻撃する可能性
アメリカは中国を攻撃する可能性がある。バックパッシング理論によれば、アメリカが中国を攻撃する場合には、直接対決を避け友好国を中国にぶつけさせることが戦略のため、日本・韓国・オーストラリア・フィリピン・あたりがぶつけられる可能性があるからだ。
【2】日米同盟を維持し、中国と日本間で有事が起きた場合は、アメリカが日本の代わりに中国と戦わせることが可能。
中国などの敵国と紛争が起こったとき、米国を日本の代わりに戦かわせる。尖閣初頭は油田があるため、日本はここの領有権は防衛する必要がある。そこで米国を日本の番犬として守らせることが可能。
※どこまで米軍を番犬として飼い慣らせられるかは日本の外交の力量次第だ。日米安保が破棄されると、本当に日本は二本の通常戦略で中国と戦う必要がでる。
【3】東アジアでは大規模な戦争が起こらない。
東アジアでは、小規模な紛争は起こるが、大規模な戦争は起こらない。
【4】将来的に東アジアで国家間の紛争が起こる。
中国による台湾侵攻、韓国や中国による北朝鮮侵攻が将来起こる。この有事の際に、日本が出兵すれば、大量の死者と軍事費が必要になる。
【5】9条を改憲すると軍産複合体が日本でビジネスを始める。
9条を改憲して武装すると軍産複合体イスラエルやロシアやアメリカが日本に軍事技術を押し売りしだす。これは日本国内に今の日本のゼネコンのような、戦争ゼネコンを生み出ししてしまい経済的に損失を被る。